ヒラリヨンプレリュード interlude02
2006年1月20日 河内にけったいな人間が3人いる。本当はもっといるかもしれないが彼が知っている限りで3人はいるんだから、現実は沢山いてもおかしくないのは確定である。
中河内のど真ん中にある職人の町として有名な東大阪市。その真ん中と言っても過言ではない所に男の勤める大学がある。
田原本博司、男は言語学オタクであった。
「何処の世界に研究しすぎて神の領域に接触する先生がいるんだか。」
その男を詳細に“知っている”人々は呆れながらも付き合っている。当然その周りの人たちもどこか壊れてしまっているのだが、研究の領域というのはそんな物なのだろう。
「好きこのんでこんな能力持ったわけじゃない。」
博司は自分の能力の事について触れられると即座にばっさりと相手を切り捨てる。博司は別に力を否定しているわけではない。彼は合理的に物事を考えるが故に力の存在を肯定し、自分の利の下に振るう。人間としての欲の前に博司は文月とは違うあり方でもって動く。ただ、博司がこう言うのは力に到達するまでの過程が証明出来ないのが一番の要因だろう。
博司は研究者であるが故に証明出来ない現実は受け入れはしても説明はしないのだ。ここまで来ると無駄な誇りだ。
「先生はどうして世界征服を目指してるんですか?」
ある日唐突にことはからかけられた言葉。博司はそれに一瞬とまどいの表情を見せたが、すぐにいつもの厳しい表情に戻る。
「駄目な人間が増えすぎたから何とかまっとうだと自称出来る人間が何とかせえへんといけないと言う事やな。」
「はぁ。だってめんどくさくないんでしょうか?沢山の人間を統率しないといけないんですよ。」
博司の返事に改めて質問をぶつけるシオン。
「そこにわしの能力が生きてくる。世界征服が今までまっとうに上手くいかんのは人間が人間のままで世界を統率しようとするからや。自分の面倒すら満足に見れへん人間が他人を統率出来るわけがない。」
博司の自信満々の答えにシオンとことはの二人は頭を抱えた。
「私さ、漫画やアニメで何で悪の親玉とか世界征服を目指すか理由わかってきた。あれは人間じゃないから人間の限界なんて関係ないんだ。」
「でも、それって能力フル稼働でしょ?幾ら田原本先生でも死ぬんじゃない?」
二人の頭を抱える姿をよそにぽつりと呟く博司の言葉に二人は博司を見つめていた。
「それに、わしは世界征服のためだけにあれを持ち出したわけやないからな。」
「はあっ?まだ何か隠し球もってるんですか?先生。」
河内のけったいな3人組。彼らが動く理由は単純にして明解だ。
「わしは、普通の研究者でいられたらそれで良かったんや。」
研究室で一人お茶をすする博司の言葉がそれを物語っている。
とんでもない力を持ったとんでもない人たちの物語。河内はそれ自体がけったいな世界であった。
中河内のど真ん中にある職人の町として有名な東大阪市。その真ん中と言っても過言ではない所に男の勤める大学がある。
田原本博司、男は言語学オタクであった。
「何処の世界に研究しすぎて神の領域に接触する先生がいるんだか。」
その男を詳細に“知っている”人々は呆れながらも付き合っている。当然その周りの人たちもどこか壊れてしまっているのだが、研究の領域というのはそんな物なのだろう。
「好きこのんでこんな能力持ったわけじゃない。」
博司は自分の能力の事について触れられると即座にばっさりと相手を切り捨てる。博司は別に力を否定しているわけではない。彼は合理的に物事を考えるが故に力の存在を肯定し、自分の利の下に振るう。人間としての欲の前に博司は文月とは違うあり方でもって動く。ただ、博司がこう言うのは力に到達するまでの過程が証明出来ないのが一番の要因だろう。
博司は研究者であるが故に証明出来ない現実は受け入れはしても説明はしないのだ。ここまで来ると無駄な誇りだ。
「先生はどうして世界征服を目指してるんですか?」
ある日唐突にことはからかけられた言葉。博司はそれに一瞬とまどいの表情を見せたが、すぐにいつもの厳しい表情に戻る。
「駄目な人間が増えすぎたから何とかまっとうだと自称出来る人間が何とかせえへんといけないと言う事やな。」
「はぁ。だってめんどくさくないんでしょうか?沢山の人間を統率しないといけないんですよ。」
博司の返事に改めて質問をぶつけるシオン。
「そこにわしの能力が生きてくる。世界征服が今までまっとうに上手くいかんのは人間が人間のままで世界を統率しようとするからや。自分の面倒すら満足に見れへん人間が他人を統率出来るわけがない。」
博司の自信満々の答えにシオンとことはの二人は頭を抱えた。
「私さ、漫画やアニメで何で悪の親玉とか世界征服を目指すか理由わかってきた。あれは人間じゃないから人間の限界なんて関係ないんだ。」
「でも、それって能力フル稼働でしょ?幾ら田原本先生でも死ぬんじゃない?」
二人の頭を抱える姿をよそにぽつりと呟く博司の言葉に二人は博司を見つめていた。
「それに、わしは世界征服のためだけにあれを持ち出したわけやないからな。」
「はあっ?まだ何か隠し球もってるんですか?先生。」
河内のけったいな3人組。彼らが動く理由は単純にして明解だ。
「わしは、普通の研究者でいられたらそれで良かったんや。」
研究室で一人お茶をすする博司の言葉がそれを物語っている。
とんでもない力を持ったとんでもない人たちの物語。河内はそれ自体がけったいな世界であった。
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